『ミス・キング』感想｜将棋を知らなくても心を動かされる“人間ドラマの妙

ABEMAオリジナルドラマ『ミス・キング（MISS KING）』は、のん主演で描かれる“将棋と復讐”のヒューマンドラマです。

一見すると将棋をテーマにした専門的な物語に思えますが、その本質は「家族」「孤独」「再生」という普遍的なテーマを描いた人間ドラマにあります。

この記事では、FilmarksやSNS上の評価をもとに、『ミス・キング』の魅力と課題を整理しながら、“将棋を知らなくても楽しめる理由”を探っていきます。

『ミス・キング』はどんなドラマ？

『ミス・キング』は、天才棋士・結城彰一（中村獅童）の娘・国見飛鳥（のん）が、父への復讐を胸に将棋の世界に挑む物語です。

復讐、才能、そして再生。重厚なテーマを、ABEMAならではの映像美と静謐な演出で描きます。

将棋を知らなくても心に響く理由

“駒を動かす”ことが人生のメタファーに

将棋は単なる勝負ではなく、登場人物たちが過去と向き合うための「人生の盤上」として描かれています。

たとえ将棋のルールを知らなくても、彼らが一手を指すたびに見える“人間の選択と覚悟”が胸に迫ります。

のんの繊細な演技が物語を支える

主人公・飛鳥を演じるのんは、感情を爆発させるのではなく、静かな怒りと悲しみを内に秘める演技で高い評価を獲得しています。

特に「駒を握る手が震える」シーンでは、セリフ以上に強い感情が伝わり、視聴者の心を打ちます。

Filmarksレビューに見る視聴者の声

レビューサイト「Filmarks」では、平均スコア3.6／5.0（384件）と安定した評価を獲得しています。

高評価の声

• 「のんの演技が深くて切ない。将棋を知らなくても泣ける」
• 「映像が美しく、ABEMAドラマの中でも完成度が高い」
• 「“将棋で復讐”という設定に最初は驚いたが、最後は人間の強さを感じた」

一方で見られた課題

• 「脚本が急ぎすぎて感情の流れが浅い部分がある」
• 「将棋描写のリアリティに欠ける部分も」
• 「もう少し“父と娘の関係”を丁寧に描いてほしかった」

注目ポイント：“静のドラマ”としての完成度

沈黙が語るドラマ

セリフを削ぎ落とした“間”の使い方が絶妙で、静寂の中の緊張感が作品全体を包みます。

村上健志が演じる棋士との無言の対局シーンは、まるで映画のような美しさを持っています。

映像と音の演出が深い余韻を残す

淡い照明と駒の音が作り出す静謐な世界観が、「言葉にならない感情」を際立たせます。

総評：将棋ドラマを超えた“人間の物語”

『ミス・キング』は、将棋を知らない人にも響く“人間のドラマ”です。

復讐という動機を軸にしながらも、最終的には「赦し」「希望」という普遍的なテーマにたどり着きます。

のんをはじめ、村上健志・藤木直人・中村獅童らの緊迫した演技が光る、ABEMA渾身のオリジナル作品です。