『ちょっとだけエスパー』原作はある？完全オリジナル脚本の魅力と野木亜紀子の脚本力に迫る

2025年10月期・火曜9時枠ドラマ『ちょっとだけエスパー』（主演：大泉洋／脚本：野木亜紀子）は、会社をクビになった中年サラリーマンが“ちょっとだけエスパー”になって人生を再起するという、奇想天外なヒューマンドラマです。

一見コメディのようでいて、実は深い人間ドラマ。その根底には、脚本家・野木亜紀子が手掛ける完全オリジナル脚本ならではの構成力とメッセージ性が光ります。

この記事では、『ちょっとだけエスパー』に原作があるのか？そして、なぜ“原作なし”でここまで話題になっているのかを、野木亜紀子脚本の魅力とともに解説していきます。

この記事を読むとわかること

原作はない？『ちょっとだけエスパー』は完全オリジナル脚本

『ちょっとだけエスパー』は、漫画や小説の実写化ではなく、完全オリジナル脚本として制作されています。
公式サイトおよび報道各社では「原作：なし」と明記されており、脚本家・野木亜紀子による完全新作です。
参考：テレビ朝日公式サイト

原作がないドラマの最大の特徴は、物語の自由度です。キャラクター設定や展開をゼロから生み出せる一方で、視聴者に世界観を理解してもらうための構成力が求められます。

このバランスを取れる脚本家が野木亜紀子。彼女の脚本では、非現実的な設定の中に必ず「人間のリアル」を描く構成が特徴です。

野木亜紀子といえば、『アンナチュラル』『MIU404』『逃げるは恥だが役に立つ』など、社会性とユーモアを両立させた作品で知られています。
彼女の脚本の特徴は、テーマがどんなに奇抜でも、必ず“人の生き方”という軸に落とし込むことです。

『ちょっとだけエスパー』というタイトルには、能力を得ても完全ではない主人公像が凝縮されています。
「すごい力があるわけじゃない」「失敗することも多い」──この“中途半端さ”にこそ人間味があり、視聴者が共感できるポイントでもあります。

野木脚本では、欠けている人間の強さを描くのが得意であり、この作品でも“エスパーになっても救えない現実”の中に人間ドラマが生まれています。

原作がないということは、視聴者にとって結末も未知。
「次の話でどうなるのか」「能力の代償は何か」といった展開予測がSNSでも盛り上がりを見せています。
実際、第1話放送直後には「予想以上に深かった」「笑えるのに泣ける」といった声も。
参考：RealSound 記事

本作は“人生の再生”“社会からの孤立”“小さな力でも世界を変えられるか”という複数のテーマを重ねた群像劇です。
脚本・演出が一体となって世界観を緻密に作り上げる必要があり、野木脚本の手腕が発揮されるポイントでもあります。

『ちょっとだけエスパー』の魅力は、スーパーヒーローではない“普通の人”が主人公であること。
彼の力は小さいけれど、誰かを助けようとする意志が物語を動かしていきます。
野木脚本では、こうした“不完全さの中の希望”を描くことが得意であり、本作もまさにその延長線上にある作品です。

この記事のまとめ